アクティブピップカウントの練習(1)
先日は魔王戦中継を見ていて、うっかりブログに記事をあげ忘れてしまいました。さて、今回は、gnubgを相手にアクティブピップカウントの練習をマネーで3ゲーム行いました。なかなか慣れず、特にヒットされたときなどはひどいものでした。明日明後日も行っていって、早く身につけたいものです。
では、エラーの方の解析も行います。
解析
ゲーム1
2手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 10/8 6/5(2) Eq.: -0.073
. 0.491 0.133 0.007 - 0.509 0.169 0.006- キューブフル 2-ply 24/22 6/5(2) Eq.: -0.175 (-0.102)
. 0.476 0.138 0.009 - 0.524 0.212 0.011
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
6/5(2)は自明ですが、残りの2回はどうするのでしょうか。ピップカウントに気を取られて適当に24/22と動かしましたが100点以上のエラー。
参考までに、最善手から実戦手までの6手を100回程度ロールアウトしてみたところ、10/9 6/5(3), 10/8 6/5(2), 8/5 6/5, 24/23 10/9 6/5(2)がほぼ同等なのに対し、実戦手の24/22 6/5(2)は50点程度のエラーが付きました。どうやら、10ポイントを触らないといけないようです。ビルダーを強くしたいのもあるでしょう。また、24ポイントを触っても、あまりいいことがない上に22ポイントに置くと3つのポイントから狙われて危険なのもあるのかもしれません。
ゲーム2
2手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 9/5 6/5 Eq.: -0.296
. 0.419 0.117 0.004 - 0.581 0.160 0.007- キューブフル 2-ply 13/9 8/7* Eq.: -0.355 (-0.059)
. 0.417 0.119 0.006 - 0.583 0.192 0.013
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
実戦では、とりあえずヒットしておこうと思ったのですが、それよりむしろ5ポイントのほうが重要なようです。勝率、ギャモン勝ちの確率ともにあまり変わらない一方、ギャモン負けの確率が低くなっている点が、推す理由になっているのでしょう。
3手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 24/18(2) 13/7(2) Eq.: +0.570
. 0.650 0.152 0.004 - 0.350 0.068 0.001- キューブフル 2-ply 24/18 9/3(2) 7/1 Eq.: +0.236 (-0.334)
. 0.536 0.237 0.010 - 0.464 0.141 0.006
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
実戦ではブリッツを狙いに行ったのですが、後々考えてみると、あまり強い攻めではないし、そこまでブリッツもいらないので、24/18(2) 13/7(2)と無難に動かすほうがよいのでしょう。実際、動かした後の図を見ると、だいぶ厚くなっていて、かなり勝てそうです。
ゲーム3
7手目・テイクパス
2-ply キューブレスエクイティ +0.425
. 0.594 0.355 0.006 - 0.406 0.116 0.008
Cubeful equities:
. 1. ダブル、テイク+0.575
. 2. ダブル、パス +1.000 (+0.425)
. 3. ノーダブル +0.573 (-0.002)
Proper cube action: ダブル、テイク
相手はブリッツ形なので攻めゴマが10枚はほしいところですが9枚しかありません。とはいえ有利なのでダブルテイクなのでしょう。また、4ポイントのブロットをカバーできなければヒットできさえするかもしれないというのもあるでしょうか。
総評
アクティブピップカウントの練習ということもあって、むしろ形やレースプランに対する意識が薄くなってしまったと思います。とはいえはじめてのことなので慣れていませんから仕方ないでしょう。今後も会得できるように頑張ろうと思います。しかし効果はどれほどなのでしょう。なんにせよ役には立つでしょうが。
魔王戦本戦・決勝 vs. しすけさん
私事でしばらくお休みしていたブログですが、本日より再開です。今回は、中村プロとの準決勝で望外の勝利を得た直後迎えた決勝戦。相手はしすけさんです。
解析
第1ゲーム・第2ゲームとミスなく進めたもののダブル・パスで2点を失います。第3ゲームも、いくつか細かいミスはあったものの、やはりダブル・パスで1点を失います。
第4ゲーム(0-3/9)
7手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.561 (マネー: +0.573)
. 0.705 0.224 0.004 - 0.295 0.061 0.004
Cubeful equities:
. 1. ダブル、パス +1.000
. 2. ダブル、テイク+1.063 (+0.063)
. 3. ノーダブル +0.841 (-0.159)
Proper cube action: ダブル、パス
この時点でピップが104対154の差でレースの点では完全にパスです。しかし、すでに相手のミッドポイントは払われていたり、相手がアンカーを取っていたりするのでギャモニッシュではありません。そして、逆転の可能性もわりとあります。それで、やはりダブルするのが正解になるのでしょう。むしろ、逆転の多さゆえにテイクとパスの境界に近いほどです。
そして、このダブルが打てなかったために逆転され、1点を追加されます。続く第5ゲームこそ、ダブルを打って勝ちきり、2点を取ったものの、第6ゲームではパスして、1点を与えます。
第7ゲーム(2-5/9)
1手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/4* Eq.: -0.048
. 0.471 0.137 0.007 - 0.529 0.158 0.010- キューブフル 2-ply 24/15 Eq.: -0.145 (-0.097)
. 0.459 0.105 0.004 - 0.541 0.162 0.007
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
2手目にして間違えました。序盤では、重要なポイントに置かれたブロットをヒットしていくのは大変重要だとわかっていながら犯したミスでした。
5手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/11 3/2* Eq.: -0.558
. 0.373 0.087 0.003 - 0.627 0.241 0.018- キューブフル 2-ply 6/3 Eq.: -0.668 (-0.110)
. 0.347 0.076 0.002 - 0.653 0.239 0.008
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この時点で、ピップでだいぶ負けていることもあって、どうしても相手のコマを閉じ込めたいのでしょうが、となると、3/2と打つか6/3と作るかですが、それならば、圧倒的に打つほうが良いのはわかります。もっとも、奥まった位置にある上、だいぶ危険そうですが、むしろ6/3とすると5ポイントに割ったところにポイントオンされかねないので、むしろテンポヒットになる3/2がさらに支持されます。
このゲームは、ただしくパスさせられて1点を得ます。
第8ゲーム(3-5/9)
4手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply bar/20 13/11* Eq.: -0.413
. 0.416 0.098 0.004 - 0.584 0.220 0.026- キューブフル 2-ply bar/18 Eq.: -0.824 (-0.411)
. 0.351 0.069 0.003 - 0.649 0.255 0.027
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この手では、どちらの目でもエンターできますから、むしろ、もう1つの目でしたいことはなにか考えますと、11ポイントのブロットをヒットするくらいです。ピップで大幅に遅れ、相手のバックマンが完全に逃げ切る直前なので、当然、ヒットが大正解になります。
このゲーム、結局ギャモンで2点を失うことになります。
第9ゲーム(3-7/9)
10手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/9*/4 Eq.: -0.226
. 0.402 0.094 0.004 - 0.598 0.248 0.006- キューブフル 2-ply 13/9* 13/8 Eq.: -0.438 (-0.212)
. 0.352 0.076 0.003 - 0.648 0.292 0.008
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
13/9は状況を勘案すれば、ほぼ必然的な手ですが、問題は残りの5の目です。実戦では、13/8としましたが、最善手は9/4でした。どのみち、5の目でブロットは出るのですが、13/8では、なんの働きもなく、6の目で打たれる危険が出てくるのに対して、9/4ならば、危険性こそあれど大きな働きがありますから、13/9/4が支持されるのでしょう。
このゲーム、ダブルを打たれてパスします。
第10ゲーム(3-8/9・クロフォード)
10手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 22/21 13/10 Eq.: +0.982
. 0.693 0.471 0.015 - 0.307 0.075 0.004- キューブフル 2-ply 11/7 Eq.: +0.805 (-0.177)
. 0.645 0.406 0.013 - 0.355 0.090 0.004
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この手、ツーメン・オン・ザ・バーで、だいぶボードが出来上がっているので、さらにギャップを埋めにいく手が正解になります。そうすると、11/7は、むしろ5ポイントを作る目を減らしているので悪手です。一方22/21 13/10ならビルダーが増える上に危険もなく、アンカーも強くできます。
17手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 21/9(2) Eq.: +1.596
. 0.915 0.606 0.005 - 0.085 0.006 0.000- キューブフル 2-ply 21/3 21/15 Eq.: +1.479 (-0.117)
. 0.862 0.597 0.004 - 0.138 0.012 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
現在ピップで50勝っているので、このまま逃げられれば圧倒的に優勢です。ならば、安全に21/9(2)としたほうが良いのです。15ポイントに残すと、すぐには打たれずとも、後々処理に困るのでしょう。
19手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 6/5*/1 Eq.: +1.901
. 0.941 0.808 0.003 - 0.059 0.003 0.000- キューブフル 2-ply 7/2 Eq.: +1.695 (-0.206)
. 0.941 0.644 0.002 - 0.059 0.002 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
現在、どうしてもギャモンが取りたい局面です。なぜならば、マッチ勝ちに必要なゲーム数が1ゲーム減るからです。とすればヒットするのが当然です。
このあと、ギャモンを取って、第11ゲームに突入しますが、善戦叶わず敗北します。こうして、私の魔王戦は終わりました。
総評
今回は、ピップ絡みのエラーが多かったように思います。やはり、ピップを意識したプレーというのは、大きな課題になるでしょう。アクティブピップカウントを使うことなど、いろいろ考えてみる必要があるでしょう。
魔王戦本戦・準決勝 vs. 中村プロ
解析
第1ゲーム(0-0/7)
ミスなく進んだ結果、ダブル・パスで1点を奪われます。
第2ゲーム(0-1/7)
4手目・テイク
2-ply キューブレスエクイティ +0.607 (マネー: +0.601)
. 0.785 0.046 0.000 - 0.215 0.016 0.000
Cubeful equities:
. 1. ダブル、パス +1.000
. 2. ダブル、テイク+1.140 (+0.140)
. 3. ノーダブル +0.985 (-0.015)
Proper cube action: ダブル、パス
この時点でピップが125-153で28負けていて、28/125=22.4%なので、圧倒的にパスです。今すぐヒットできるわけでもないし、ボードも悪いし、バックマンでも負けているので、4要素で考えてもパスです。この大パスをなぜかテイクして、進んで行きます。
12手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.384 (マネー: +0.373)
. 0.635 0.137 0.004 - 0.365 0.037 0.000
Cubeful equities:
. 1. ダブル、テイク+0.698
. 2. ダブル、パス +1.000 (+0.302)
. 3. ノーダブル +0.441 (-0.256)
Proper cube action: リダブル、テイク
この局面、次に2ポイントか3ポイントのブロットをヒットできれば、ほぼ必勝形になるので、仮にそうなればダブルは打てなくなります。つまり、スイングの大きな手であるために、ここでダブルを打たなければならないのでしょう。
この後、1点失って3対0になります。
第3ゲーム(0-3/7)
5手目にして6ゾロを振って、一気に形勢が有利になり、きちんとダブルを打ってパスさせました。
第4ゲーム(1-3/7)
14手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 10/4 7/5 Eq.: +1.592
. 0.818 0.658 0.144 - 0.182 0.002 0.000- キューブフル 2-ply 16/10 7/5 Eq.: +1.588 (-0.004)
. 0.814 0.654 0.148 - 0.186 0.001 0.000
7* キューブフル 2-ply 16/10 9/7 Eq.: +1.548 (-0.045)
. 0.804 0.650 0.143 - 0.196 0.001 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この手を打った後、薄々感じてはいたのですが、やはり7ポイントを作ったのは失敗でした。現在エースポイントのアンカーに加え、ツーメン・オン・ザ・バーなので、全然出られず、わざわざフルプライムにする必要はありません。むしろ、スペアマンを増やして、フレキシビリティーを上げるべきでした。
15手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 10/4 7/6 Eq.: +1.640
. 0.819 0.668 0.159 - 0.181 0.001 0.000- キューブフル 2-ply 10/4 9/8 Eq.: +1.569 (-0.071)
. 0.804 0.662 0.148 - 0.196 0.001 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
前の手に引き続いて、やはり、7ポイントはいりません。1の目で崩していくべきです。また、6の目も、ブロットの9ポイントとブロックの10ポイントだったら、動かしたあともコマの残る10ポイントの方を動かすのが道理です。
このあと、ギャモンで4点を獲得します。
第5ゲーム(5-3/7)
6手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 15/8 Eq.: +0.362
. 0.644 0.028 0.000 - 0.356 0.029 0.000- キューブフル 2-ply 13/7 8/7 Eq.: +0.168 (-0.194)
. 0.607 0.064 0.001 - 0.393 0.068 0.001
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
このマッチ最大のミスがここで出ます。予選のときの解析で、気をつけることにしていた、レースプランのことですが、それに反したことをしてしまいます。このときすでに15もピップで勝っていて、しかも、1枚は逃げ切っており、もう1枚もすぐ逃げられるところです。普通なら、逃がすのが当然ですが、つい7ポイントをメイクしてしまいました。
しかしこの後はミスなく打つことができ、ダブル・パスで1点を追加してクロフォードになります。
第6ゲーム(6-3/7)
5手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 7/5(2) 6/4(2) Eq.: +0.269
. 0.686 0.276 0.024 - 0.314 0.100 0.003- キューブフル 2-ply 23/21 13/11 6/4(2) Eq.: +0.135 (-0.134)
. 0.641 0.234 0.020 - 0.359 0.143 0.006
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
6/4(2)は当然として、残りのあと2回をどうするかですが、7/5(2)が正解なのは、言われてみると当然に思えます。ゾロ目なので、スイッチがかなり有力ですし、7ポイントよりは5ポイント、それも4ポイントが埋まっているならなおさらよい手になるからでしょう。
16手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 8/5 6/5 Eq.: +0.250
. 0.632 0.351 0.057 - 0.368 0.014 0.000- キューブフル 2-ply 8/7 8/5 Eq.: +0.227 (-0.023)
. 0.621 0.339 0.053 - 0.379 0.014 0.000- キューブフル 2-ply 8/4 Eq.: +0.180 (-0.071)
. 0.598 0.323 0.051 - 0.402 0.016 0.000
4* キューブフル 2-ply 6/2 Eq.: +0.174 (-0.076)
. 0.596 0.318 0.041 - 0.404 0.018 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
割れないようにと思って打った6/2なのですが、なんと76点のエラーがついてしまいました。正解手は8/5 6/5でした。どうも、どうしても8を割らせたいようです。というのも、あとで割れると相手のコマがだいぶ外に出てくるなどして、危険な状況に陥るから、それで先に1枚逃して、打たれたら仕方がないとでもいうのでしょう。また、5ポイントが凹んでいて、少しフレキシビリティーが悪いのを改善するのもあるのでしょうか、8/4だとほとんど同じくらいのエラーになっています。というわけで、3は8/5です。では、一方の1はどうかというと、8/7とでもするとより狙われてしまうので、6/5と軽くおさめるくらいが良いのでしょう。
この後、打たれることもなく進んで、なんと中村プロに勝利してしまいました。決勝へ進出です。
総評
ダブルのことでいうと、予選ではスイングの大きい局面のダブルは経験していないので、改めて注意しなければならないと思いました。
ムーブでは、予選での課題がある程度解決されていたので、その点良かったと思います。最も、GGなので、ピップをすぐ確認できるという点も大きかったかとは思いますが。一方で、作らなくてもいいとき、なんなら割ったほうがいいときを見分ける感覚がまだついていないように思います。また、フレキシビリティーという要素も(レースプランなど程ではなくとも)今後注目して見ていきたいと思います。
魔王戦を振り返って
魔王戦本戦の解析をする前に、この魔王戦全体を振り返ることにします。
まずは、予選。魔王戦が開催されると聞いて、いつものように参加登録はしたものの、きっと負けてしまうに違いないと思っていたものでした。
それがなんということか、初戦から3連勝。あまりに都合よく進んでいくものですから、もしかしたら、これは行けるのではないかという淡い期待がでてきました。しかし、大概そんなことを思うとコケてしまうので、やはり負けてしまうかもしれないと思っていたのです。
そんな風に思っていると、第4戦のお相手は中村プロ。やはり、そうなるかと思っているうちに、負けてしまい、やはりそうかと。そして、続く第5戦もTJさんと、強豪続きでさらにその気持ちは強まるばかり。しかし、なんということか、幸運にも勝ってしまい、本戦進出。さらにbyeもひけて、準決勝から出られることになります。
そして、先程終わった本戦の2戦。
準々決勝で、中村プロが上がって来たと聞き、予選で負けていることもあって、またまた、だめではないかという気がしてきます。実際、1、2ゲーム目は先取されてしまいました。しかし、急に目が良くなり、勝ってしまいます。
さらに、続けて決勝。しすけさんとの戦いです。が、先程までの追い風はどこ吹く風、特に良いところもなく終わってしまいました。続けてやったのがいけないのかもしれません。どうも、私の場合、一歩引いて見られるときのほうが良くなるようです。なので、少し間を開けたほうが良かったのでしょう。
しかし、1つ驚いたのは、ERが予選から本戦で改善されたことです。予選では、7~12程度だったのが、本戦では6~7になったのです。本戦は、より重要ですから真剣にやったから、良くなったのかもわかりません。しかし、予選のことだろうと軽んじているわけではないのですから、これはきっと、このブログで解析をしっかりするようになったからなのでしょう。これは、このあとも続けていかなければならないと感じました。
では、明日以降、魔王戦本戦の両戦の解析をお送りします。(ただし、次の日曜日から火曜日までは私用につきお休みします)
魔王戦予選・プレーオフ vs. たからさん(後編)
解析
第5ゲーム(4-4/7)
3手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.531 (マネー: +0.459)
. 0.664 0.195 0.005 - 0.336 0.067 0.001
Cubeful equities:
. 1. ダブル、テイク+0.822
. 2. ダブル、パス +1.000 (+0.178)
. 3. ノーダブル +0.764 (-0.058)
Proper cube action: ダブル、テイク
現在2点を取りたいところですが、相手はワンマンバックでなかなかギャモンは取れそうにありません。しかし、だいぶボードが堅く、相手のバックマンはなかなか抜け出せそうにない一方、こちら側に不利なこともないので、それないりに勝てそうです。それならば、打ってしまったほうがよいということなのでしょう。
6手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.887 (マネー: +0.724)
. 0.706 0.385 0.002 - 0.294 0.073 0.001
Cubeful equities:
. 1. ダブル、パス +1.000
. 2. ダブル、テイク+1.542 (+0.542)
. 3. ノーダブル +0.945 (-0.055)
Proper cube action: ダブル、パス
この場面、もしダブルを打てば必ずパスされるでしょうから、果たしてtoo goodなのか否かが問題です。ここで、割と相手のバックマンは逃げやすい上に、こちらはブロットもあり、なおかつ相手のボードもそこそこ強いので、思う程ギャモンが取れるわけでもないのでしょう。それで、ダブルが正解になるのでしょう。
このあとギャモンをとってクロフォードになります。
第6ゲーム(6-4/7)
11手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply bar/21 3/2 Eq.: -0.008
. 0.503 0.159 0.007 - 0.497 0.133 0.004- キューブフル 2-ply bar/24 8/4 Eq.: -0.061 (-0.053)
. 0.480 0.167 0.008 - 0.520 0.165 0.007
3* キューブフル 2-ply bar/24 21/17 Eq.: -0.123 (-0.115)
. 0.458 0.174 0.012 - 0.542 0.217 0.013
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
実戦手が誤りなのは明らかです。特段ピップで勝っているなどするわけでもないのにアンカーを崩すのは危ういかと思います。問題は、どうして最善がbar/24 8/4ではなくbar/21 3/2なのかです。解析を見ると、ギャモンは取りづらくなりますが、勝率が上がると同時に、ギャモンを取られることも少なくなります。ここで、仮に21ポイントのチェッカーを24ポイントに移動してみると、更に勝率が上がることから、おそらく、3/2というムーブをしているのが、勝率を高める要因として最も大きいものでしょう。これは、たとえヒットされてもまだ十分捕まっているし、それが逃げるには、バーポイントに一旦5で行って、またその後5でミッドポイントまで行く必要があって、デュプリケーションのようになっているからでしょう。
13・14手目・ムーブ
13手目
- キューブフル 2-ply 21/16 2/1* Eq.: -0.336
. 0.366 0.108 0.003 - 0.634 0.259 0.027- キューブフル 2-ply 21/15 Eq.: -0.398 (-0.062)
. 0.326 0.079 0.003 - 0.674 0.226 0.019
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
14手目
- キューブフル 2-ply bar/22 2/1* Eq.: -0.408
. 0.332 0.079 0.002 - 0.668 0.278 0.029- キューブフル 2-ply bar/21 Eq.: -0.483 (-0.075)
. 0.289 0.060 0.002 - 0.711 0.260 0.024
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
いずれも、実戦ではバックマンを触るだけだったのが、最善手では1ポイントのブロットをヒットしたほうがよいということのようです。おそらく、ピップで34負けていて、しかも相手がワンマンバックなので、なんとかして閉じ込めようという魂胆なのでしょうか。
このあと、ギャモンを取られてDMPになります。
第7ゲーム(6-6/7)
5手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 7/2* Eq.: +0.182
. 0.591 0.273 0.006 - 0.409 0.134 0.012- キューブフル 2-ply 23/18 Eq.: +0.128 (-0.054)
. 0.564 0.207 0.008 - 0.436 0.127 0.006
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
おそらく、ワンマンバックなので、安安と逃げることができますから、そうなると勝ちが来ないので、より確実なものとしようということなのでしょう。
総評
今回はバックマン絡みのところが多かったように思えるのですが、やはりバックマンというのは重要な要素であるので、今後ますます気をつけていかなければいけないところであると実感しました。
魔王戦予選・プレーオフ vs. たからさん(前編)
解析
第1ゲーム(0-0/7)
5手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.346 (マネー: +0.343)
. 0.636 0.168 0.012 - 0.364 0.104 0.004
Cubeful equities:
. 1. ノーダブル +0.534
. 2. ダブル、パス +1.000 (+0.466)
. 3. ダブル、テイク+0.453 (-0.080)
Proper cube action: ノーダブル、テイク (14.7%)
4要素で見てみると、ピップ・バックマンでは優勢ですが、ボードやチャンスの点では同等なので、ノーダブルになります。
13手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 8/1 Eq.: +0.524
. 0.789 0.023 0.000 - 0.211 0.008 0.000- キューブフル 2-ply 6/2 4/1 Eq.: +0.431 (-0.093)
. 0.752 0.021 0.000 - 0.248 0.011 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
現在、ピップで32も勝っているので、打たれなければまずまず勝てますから、ブロットを出さないようにいけばよいのはわかっていました。しかし、現在アンカーの後ろにある2ポイントにブロックを作るのは、全く重要ではありません。打つ必要もないからです。その意味では、最もフレキシビリティに飛んだ8/1の手が最善になるのでしょう。
このあと、上がり合いに勝って2点を得ます。
第2ゲーム(2-0/7)
6手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 15/10* 13/11 Eq.: +0.192
. 0.600 0.113 0.005 - 0.400 0.166 0.005- キューブフル 2-ply 13/8 6/4 Eq.: -0.170 (-0.362)
. 0.487 0.060 0.002 - 0.513 0.123 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この場面、実戦では何を思ったのかしませんでしたが、なんにせよ15/10*とヒットするのは必然です。問題は、残りの2の目ですが、13ポイントから下ろすのが最善。ビルダーが増えて、とても攻撃的なのは一目瞭然ですが、果たしてここまですると危険なのではないかと思われますが、現在38ピップ遅れているので、なんとしても捕まえなければいけないからでしょう。
このあとダブルを打たれ、そのままシングル勝ちをさらわれ同点になります。
第3ゲーム(2-2/7)
4手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 8/2 6/2 Eq.: +0.183
. 0.532 0.160 0.003 - 0.468 0.082 0.002- キューブフル 2-ply 24/14 Eq.: +0.052 (-0.131)
. 0.510 0.101 0.002 - 0.490 0.078 0.002
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
よくわかりません。ご意見募集します。
(追記) スカイさんのご意見(コメント欄より転記)
4の8/2,6/2はそれが唯一のプラスの手だからじゃないからですかね。
24/14は打たれなくてもまだワンマンバックで相手と同等なのでそこまで価値はない。
2pを作っても相手を捕まえてる訳ではないですが、相手をヒット出来たときのダンスの確率を上げてますし、作った後もまだ6p8pにスペアがあるので相手のバックマンが逃げられなければアタックできるチャンスがあります。
確かに言われてみればなるほど確かにそれらしいですね。先に総評で書いたゲームプランという点で考えてみると、相手はワンマンバックで、バックマンという観点からすでにランニングでかなり優勢であり、たとえピップで10弱勝っていたくらいでは、同じランニングで張り合おうなどというのは、全然よろしくないということにもなるのでしょうか。つまり、3行目のようにこちらとしてはヒットに備えてボードを強くしていこうということなのでしょう。こうしてみるとすっきりと手の意味が見えてくるものです。
そしてこのあと、ダブルされてそのまま2点を奪われます。
第4ゲーム(2-4/7)
7手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 22/20 7/2* Eq.: +0.237
. 0.577 0.164 0.008 - 0.423 0.122 0.008- キューブフル 2-ply 10/8 7/2* Eq.: +0.219 (-0.018)
. 0.571 0.157 0.006 - 0.429 0.100 0.004- キューブフル 2-ply 10/5 7/5 Eq.: +0.218 (-0.019)
. 0.569 0.159 0.006 - 0.431 0.099 0.003
10* キューブフル 2-ply 13/8 7/5 Eq.: +0.098 (-0.139)
. 0.525 0.149 0.006 - 0.475 0.110 0.005
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
7ポイントのブロットが、アンカーが3ポイントにあるというのもあって、かなり狙われています。そのため、この7ポイントのブロットをどうにかしようと7/2か7/5は絶対になります。実戦手のように13/8とさらにブロットを晒すのはちぐはぐでいけません。10ポイントのブロットもそこそこ危ないですから、どうせ7/5とするなら、10/5ともう1つのブロットも隠さなければいけません。
一方7/2とするときは、やはりその10ポイントのブロットをどうにかするか、それよりむしろ良いのは、22/20をすることです。どうにも私にはつかみにくいのですが、おそらく3ポイントという妙な位置にあるのを割って、5ポイントあたりに作ろうということでしょう。ヒットしたのでポイントオンされる危険も少ないので、支持されるのでしょう。
その後ギャモンをとって、再び同点は3away-3awayになりました。
総評
ピップ、そしてそこから見えてくるゲームプラン、これらの意識がまだ足りていないように思います。常にピップを意識してムーブできるようになるとよいのですが。