魔王戦本戦・決勝 vs. しすけさん
私事でしばらくお休みしていたブログですが、本日より再開です。今回は、中村プロとの準決勝で望外の勝利を得た直後迎えた決勝戦。相手はしすけさんです。
解析
第1ゲーム・第2ゲームとミスなく進めたもののダブル・パスで2点を失います。第3ゲームも、いくつか細かいミスはあったものの、やはりダブル・パスで1点を失います。
第4ゲーム(0-3/9)
7手目・ダブル
2-ply キューブレスエクイティ +0.561 (マネー: +0.573)
. 0.705 0.224 0.004 - 0.295 0.061 0.004
Cubeful equities:
. 1. ダブル、パス +1.000
. 2. ダブル、テイク+1.063 (+0.063)
. 3. ノーダブル +0.841 (-0.159)
Proper cube action: ダブル、パス
この時点でピップが104対154の差でレースの点では完全にパスです。しかし、すでに相手のミッドポイントは払われていたり、相手がアンカーを取っていたりするのでギャモニッシュではありません。そして、逆転の可能性もわりとあります。それで、やはりダブルするのが正解になるのでしょう。むしろ、逆転の多さゆえにテイクとパスの境界に近いほどです。
そして、このダブルが打てなかったために逆転され、1点を追加されます。続く第5ゲームこそ、ダブルを打って勝ちきり、2点を取ったものの、第6ゲームではパスして、1点を与えます。
第7ゲーム(2-5/9)
1手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/4* Eq.: -0.048
. 0.471 0.137 0.007 - 0.529 0.158 0.010- キューブフル 2-ply 24/15 Eq.: -0.145 (-0.097)
. 0.459 0.105 0.004 - 0.541 0.162 0.007
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
2手目にして間違えました。序盤では、重要なポイントに置かれたブロットをヒットしていくのは大変重要だとわかっていながら犯したミスでした。
5手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/11 3/2* Eq.: -0.558
. 0.373 0.087 0.003 - 0.627 0.241 0.018- キューブフル 2-ply 6/3 Eq.: -0.668 (-0.110)
. 0.347 0.076 0.002 - 0.653 0.239 0.008
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この時点で、ピップでだいぶ負けていることもあって、どうしても相手のコマを閉じ込めたいのでしょうが、となると、3/2と打つか6/3と作るかですが、それならば、圧倒的に打つほうが良いのはわかります。もっとも、奥まった位置にある上、だいぶ危険そうですが、むしろ6/3とすると5ポイントに割ったところにポイントオンされかねないので、むしろテンポヒットになる3/2がさらに支持されます。
このゲームは、ただしくパスさせられて1点を得ます。
第8ゲーム(3-5/9)
4手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply bar/20 13/11* Eq.: -0.413
. 0.416 0.098 0.004 - 0.584 0.220 0.026- キューブフル 2-ply bar/18 Eq.: -0.824 (-0.411)
. 0.351 0.069 0.003 - 0.649 0.255 0.027
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この手では、どちらの目でもエンターできますから、むしろ、もう1つの目でしたいことはなにか考えますと、11ポイントのブロットをヒットするくらいです。ピップで大幅に遅れ、相手のバックマンが完全に逃げ切る直前なので、当然、ヒットが大正解になります。
このゲーム、結局ギャモンで2点を失うことになります。
第9ゲーム(3-7/9)
10手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 13/9*/4 Eq.: -0.226
. 0.402 0.094 0.004 - 0.598 0.248 0.006- キューブフル 2-ply 13/9* 13/8 Eq.: -0.438 (-0.212)
. 0.352 0.076 0.003 - 0.648 0.292 0.008
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
13/9は状況を勘案すれば、ほぼ必然的な手ですが、問題は残りの5の目です。実戦では、13/8としましたが、最善手は9/4でした。どのみち、5の目でブロットは出るのですが、13/8では、なんの働きもなく、6の目で打たれる危険が出てくるのに対して、9/4ならば、危険性こそあれど大きな働きがありますから、13/9/4が支持されるのでしょう。
このゲーム、ダブルを打たれてパスします。
第10ゲーム(3-8/9・クロフォード)
10手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 22/21 13/10 Eq.: +0.982
. 0.693 0.471 0.015 - 0.307 0.075 0.004- キューブフル 2-ply 11/7 Eq.: +0.805 (-0.177)
. 0.645 0.406 0.013 - 0.355 0.090 0.004
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
この手、ツーメン・オン・ザ・バーで、だいぶボードが出来上がっているので、さらにギャップを埋めにいく手が正解になります。そうすると、11/7は、むしろ5ポイントを作る目を減らしているので悪手です。一方22/21 13/10ならビルダーが増える上に危険もなく、アンカーも強くできます。
17手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 21/9(2) Eq.: +1.596
. 0.915 0.606 0.005 - 0.085 0.006 0.000- キューブフル 2-ply 21/3 21/15 Eq.: +1.479 (-0.117)
. 0.862 0.597 0.004 - 0.138 0.012 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
現在ピップで50勝っているので、このまま逃げられれば圧倒的に優勢です。ならば、安全に21/9(2)としたほうが良いのです。15ポイントに残すと、すぐには打たれずとも、後々処理に困るのでしょう。
19手目・ムーブ
- キューブフル 2-ply 6/5*/1 Eq.: +1.901
. 0.941 0.808 0.003 - 0.059 0.003 0.000- キューブフル 2-ply 7/2 Eq.: +1.695 (-0.206)
. 0.941 0.644 0.002 - 0.059 0.002 0.000
. . 2-ply キューブフル prune [world class]
現在、どうしてもギャモンが取りたい局面です。なぜならば、マッチ勝ちに必要なゲーム数が1ゲーム減るからです。とすればヒットするのが当然です。
このあと、ギャモンを取って、第11ゲームに突入しますが、善戦叶わず敗北します。こうして、私の魔王戦は終わりました。
総評
今回は、ピップ絡みのエラーが多かったように思います。やはり、ピップを意識したプレーというのは、大きな課題になるでしょう。アクティブピップカウントを使うことなど、いろいろ考えてみる必要があるでしょう。